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雑木の庭の名脇役 鎌刈のヒサカキとは?

作業の裏側

こんにちは。

幹制作所 代表の井村です。

ブログの更新はいつぶりでしょうか。。一年以上ですね。

 

さて今回のお話は雑木の庭を求められるお客様はもちろん、それを作庭する若手の庭師さんにも伝えられれば、と思っております。

雑木の庭を学び続け私も45歳になりました。一つのことを続ける意味や価値がとても身に染みる今日この頃です。

その甲斐があり、最近は若い庭師さんに雑木の庭について助言を求められたり、相模原アトリエを見せる機会が増えています。

 

そんな今日は雑木の庭に(里山的風景)欠かせない一つの樹木をご紹介します。

 

その名は「鎌刈のヒサカキ」

聞いたことはありますか?

 

雑木の庭でないとなかなか使わないでしょう。近年雑木の庭が流行って私はとても嬉しいです。その立ち姿、繊細さ、力強さ、絵になりますよね。

ただ、更にこの絵の格を上げたいならば、物語(ストーリー)を作りたいならば雑木の足元に気を使うことをお勧めします。

その一つに鎌刈のヒサカキが存在します。

 

それが写真のヒサカキ(北沢の雑木の庭より)

なんてことの無いヒサカキです。

何故このヒサカキが重要な役割を持つのか?

 

ヒサカキは本サカキとは異なり、山の麓でよく見られます。つまり人里の近くである里山に多く見られます。

非サカキ、サカキにあらず、とも呼ばれているそうです。

自然界の山と人間界の狭間に生息する植物。放置すればゆうに2mは超えます。しかし写真のような鎌刈のヒサカキは30~50cmととても小さいですね。

これは里山というところにストーリーがあります。

数十年前、化石燃料が主流になる前日本人は雑木を切り倒し薪にして暖をとっていましたね。そうあの鬼滅の刃の竈炭次郎も同じような仕事をしていました。(炭次郎はさらに薪を炭にする仕事) ご存じのように本来自然はとても恐ろしいですよね。木々やツタが絡まり合いとても人が入っていけるところではない。しかし人々は暖を取るために雑木の木々切り倒し薪を手に入れなければならない。そこで人々は山に入りやすくするために木々の枝葉を切り落とし、笹などの下草を刈り取り山を整備し始めます。

それが「里山」です。もう一度鬼滅の刃の初回を見直してみてください。人が歩きやすいように下草がありませんね?木々と落ち葉以外何もなく山が見渡せます。木を切り倒すために下刈りを刈ることを常にしていたんです。そしてすべてを一気に伐採することはなく、年々違う気を計算しながら切り倒していくのです。つまりこの里山的風景が永遠と続くのです。

さてお話を戻します。鎌刈のヒサカキ。もうピンときましたね?

放置すれば2mもを超えるヒサカキが何故30~50cmなのか??そう常に山の下刈りを続けているので大きくなることはないのです。

この鎌刈のヒサカキを植えることにより、「あゝここは里山なんだな。」とストーリを持った庭づくりができるのです。お客様にもちゃんと説明ができ、管理方法もこのストーリーにあった世界観で行うことができるのです。

もちろん里山的風景のみが雑木の庭ではありませんので使い分けることがとても重要です。

つまり私が一番何が言いたいか、それは「物語はとても大事」、ということですね。

 

以上 鎌刈のヒサカキとは?でした!

 

雑木にの庭を所望の方も、庭師を志す方も、若い庭師さんもアトリエに遊びに来てくださいね