市中の山居~軽井沢にある茶庭(露地)~
こんにちは。
幹制作所 代表の井村幹仁です。
ジメジメした日が多いですね~。スカッとしない天気が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
体調管理には十分お気をつけてくださいね!
さて幹制作所では9月から新入社員の方も入ってきます。幹制作所の更なる発展を考えると今からワクワクしてます。
新入社員の情報や成長記などもブログに収めていけたらと思いますので是非今後ともブログの方のチェックお願い致します(^^♪
本日のブログは二年前に作庭させていただきました、軽井沢の雑木林の中に佇む茶庭(露地)です。
制作事例にも載せておりますので併せてご覧ください。
ブログトップに載っている写真は作庭当初の茶庭(露地)もので、今現在は周りの風景に馴染んだ姿となっております。
さてこの軽井沢の茶庭(露地)、私なりにかなり考えました。
それは異質空間同士の融合です。
軽井沢と言えば自然の樹木が立ち並ぶ雑木林。その空間に囲まれた作られた庭が現れる。
作庭と言いますかどちらかと言うとランドスケープデザインび注視しました。
つまり調和と融合。
主人やお客様が避暑地の代名詞と言われる軽井沢に遊びに来られる。そこに違和感なく茶庭(露地)が現れる。
よく考えがちな塀や垣根で茶庭(露地)を塀や垣根で囲い隠すのではなく、あえて見せる。その見せ方がポイントとなります。
雑木林を上手に利用し、茶庭(露地)を何となく見えるような状態にする。見え隠れさせる、というやつです。これをすることにより人は「ん?あれは何?行ってみよう!」という心理にさせることができます。完全に見せてはダメだし、塀などであからさまに何かあることを察知させても心は踊りません。
茶庭(露地)にたどり着くと狭い空間が誘導させらるよに飛石や板石が続きます。これは狭い空間を広く感じさせる効果があります。茶庭(露地)の特徴的なところです。
ここでもう一つポイント。
軽井沢のような雑木林に行くと人は爽やかな雰囲気にのまれ目線が少し上がります。巨木に包まれているのでちょっと上を見たくなるような感じです。しかし、茶庭(露地)に人を入れさせたらその逆取らせます。ここが雑木林を少し頭から切り離すポイントとなります。
つまり足元を注視させるのがポイントとなるのです。
大小さまざまな飛石を使い、人に「ちゃんと歩かないと踏み外す」という緊張を与えるのです。
そのことにより人の頭の中から先ほどまでの軽井沢の景色、意識を外すことができるのです。
竹垣を使い、人を遠回りさせ、途中水鉢で手を清め茶室に入る。これが一連の流れです。
腰掛は仰々しいものは作りません。自然石の巨石です。これはお施主様のアイディアで軽井沢の景色と調和させるために考え出されたものです。
この発想は目から鱗でした。私がいかに常識にとらわれていたか。とても勉強になった素晴らしい時間でした。
確かに巨石の腰掛に座りこの空間を眺めると雑木林に囲まれた茶庭(露地)が素晴らしく調和します。ここに仰々しい腰掛を造ったら異物になっていたと思います。
そして写真でもわかる通り、茶庭(露地)に植栽が少ないです。ここも大事なポイントです。
茶庭(露地)には必要最低限の樹木しか植栽していません。なぜならば、周りの雑木林、この茶庭(露地)、お互いを鮮明に分けるためです。つまりお互いの良いところ引き立たせているのです。
周りの雑木林は本当に自然の姿。大きい樹木から下草までぎっしりと緑で覆われています。ここで茶庭(露地)にも同じように緑を多く配置すると同化します。「同化したって良いじゃん!」という意見も正解です。しかし私はあえて分かつことでこの茶庭(露地)を表現しました。市街地のような木々が少ないところならばもっと多く植栽して幽玄の景を表現したでしょう。しかしここは軽井沢。周りは溢れんばかりの幽玄の景です。軽井沢ならではの茶庭(露地)の景。私の見解は木々を植えない。だったのです。
以上、市中の山居~軽井沢にある茶庭(露地)~ でした。
ではまた次回♪