お知らせ

屋上庭園 露地づくり 雨落ち編

作業の裏側

こんにちは。

幹制作所 代表の井村幹仁です。

 

クリスマスはいかがお過ごししたでしょうか??

サンタさんは訪れましたか???

 

我が家は訪れてくれましたよ(^^♪

娘たちも大喜びでした♪

 

クリスマスも過ぎるとお正月!

日本人の多宗教文化には驚きですが笑顔が増える年末年始なのでそれはそれで嬉しいです!!

皆さま体調管理だけは気を付けましょう!

 

さて只今作庭中の露地づくり。

ここは屋上庭園にある茶庭になります。

露地づくりの中の雨落ちをご紹介したいと思います。

 

雨落ちとは屋根の軒先から落ちる雨水の排出場所。

現代の建築では必ず樋がついてますよね。雨は屋根を伝って樋に落ちて雨水桝に排出されます。

 

しかし茶室の設計ではなるべく無駄なものを省くことから樋がついていないことがしばしばあります。

樋がついていないと雨水はそのまま地面に落ちて泥が跳ね、しかも地面はどんどんえぐれてきます。

そんな泥跳ね防止、水の排水のための装置が雨落ちとなります。

しかし茶庭・露地づくりの場合、これだけの機能ではありません。

茶室・茶庭が一体となっている茶道とは「用と美」にとても重きを置いています。

用と美とは「実用性と美しさのこと」

機能だけ、美しさだけでは足りないのです。

では雨落ちに置き換えて考えていきましょう。

先ほどお話した通り、雨落ちは泥跳ね防止・水の排水について書きました。まさしくこれは「機能」の部分ですね。

では美しさの方は?

そう。実は雨落ちは露地である茶庭にもお茶を点てる茶室にも欠かせない「美」が存在するのです。

答えを言うと雨落ちは「茶室と露地(茶庭)」を繋ぐとても重要なポストなのです。

 

先ず、茶室から見ると露地(茶庭)との最初の接点が犬走である三和土(タタキ)になります。これを一時接点としましょう。

次にその三和土と露地(茶庭)を繋ぐのが雨落ちになります。これを二次接点

さらに雨落ちと蹲踞を繋ぐのが緑である植物や苔、または飛石になります。

 

ここで想像してください。

茶室という狭小空間から土を固めた平らな平面。三和土という平らな平面から自然石であるゴロタや瓦を使った崩した平面。雨落ちという崩した平面から苔や蹲踞、飛石のある柔らかい平面。

徐々に崩され柔らかくなっていく姿。

違和感のない建築と庭との繋がり。

私の下手な表現でしたが、なんとなくわかっていただけたでしょうか??笑

 

といった具合に雨落ちは露地(茶庭)には欠かせない重要なポストなのです。

茶室に樋を付ければよいじゃん!とならないのはこの様な理由があったからなのです♪

ちなみにここの露地(茶庭)は庭側の方が高い(茶室が低い)ので雨落ちの縁止めの瓦が土留めの役割もこなしております。

ここで使用した瓦は、いぶし瓦。新潟県の安田瓦という瓦を使用しております。味のあるとても素晴らしい瓦でした!

日本独自の文化である茶道。

この茶室と露地(茶庭)というものは本当に洗練されたものですね(^^♪またお道具も然り。

 

以上、屋上庭園 露地づくり 雨落ち編 でした。

ではまた次回♪