お知らせ

雑木の庭づくり 山採りの木 材料探し

作業の裏側

こんにちは。

幹制作所 代表の井村幹仁です。

 

幹制作所では緑と暮らす庭づくり、特に雑木の庭づくり、山野草の庭づくりを得意としている作庭所です。

四季を感じ、自然の中に身を包む。家族で楽しむプライベートキャンプ場のような庭づくりをご提案しております。

多くのお客様は、週末の秘密基地・BBQ・ドッグランなど家族や大切な友人たちの体験型の庭づくりとして、また木漏れ日の中のカフェ・読書・日向ぼっこ等の個人の息抜きとしてご利用されています。

 

写真は先日伺った植木の材料屋さん。庭づくりに使う山採りの木を探しに行きました。

幹制作所の庭づくりでは基本、山から掘られた雑木類の使用を拘っています。

山採りの木には人を魅了する美しさがあるからです。そしてその美しさの中に力強さや繊細さも含まれており、幹制作所の庭づくりには欠かせないパートナーです!

 

山採りの木と畑の木はいったい何が違うの??

 

この様な質問が多く寄せられます。

答えは単純、

「ライバルのいない健康優良児」と「ライバルとしのぎを削る飢えた貪欲者」

もちろん前者が畑育ちで、後者が山採りの木。(もちろん例外もありますよ)

畑で育った樹木の特徴は

・背の大きさに比べて幹が太い。太っちょ。

・下枝が多い。枝が堅い。

理屈では、畑は周りの樹木としっかりと距離を取り伸びるスペースが確保されている。頭上にも大木などの弊害もなく燦燦と太陽光を取り入れることができます。樹木は光合成でエネルギーを吸収し貯めるため邪魔者なくそのエネルギーを貯蓄し、幹の肥大成長に使うことができます。頭上に邪魔者もいないため、無理に背を高くすることよりも枝葉を伸ばしより多く陣地を確保することができます。

つまり、エネルギーを四六時中、沢山得ることができるので健康優良児となるのです。健康は良いことです。しかしながらその健康からの欠点もあります。それは「幹が太い」こと。ふとっちょなのです。幹制作所の言葉で言うと「重い」です。庭が重くなるんです。

一方、山採りの木の特徴は、

生存競争!この言葉に全てが集約されています。

山は弱肉強食、大きいものがすべて。新しく種が落ちても地上まで光が届かないのでなかなか発芽しません。どんぐりなど見ればわかりますが、一度に大量の種をまきます。しかし、発芽するの少量。発芽したとしても途中で枯れたり、小動物に食べられたり…

運よく発芽が上手くいき成長します。しかし頭上には大木が茂り上手く光をもらえません。畑での説明で書きましたが、光がないのでわずかしか成長しません。光を求めて幹を曲げ光のある方へ進みます。余計な枝葉は体力を使ってしまうので自ら淘汰していきます。このような成長で山採りの木の骨格が出来上がります。

その姿とは

・細い幹のまま背が高い。繊細なシルエット。

・下枝は自ら落とすので幹が主役となる。幹で見せる。

・光を求めて動くので幹が曲がっている。躍動感のある幹。

このように幹は曲がり、ゆっくり成長しているため幹は細くて力強さがあり、繊細であるのが特徴です。一見、力強さと繊細さは反対側にある感情ですが、その両極を併せ持ったものなのです。

 

しかし重要なのはそれら山採りの木の組み合わせです。大きな木。その下にある木。底辺にいる木。山には様々な組み合わせが存在します。

見た目が良いからといいって植えてしまうとバラバラで調和がとれない庭づくりになってしまいます。

答えは山そのものです。山に行けば組み合わせはもちろん、乾燥地、湿地などの土壌、山野草の生えやすい場所、様々な要因を知ることができます。これについて幹制作所ではとても重要視しています。作庭家である作り手は山に学ぶべきだと私は思います。

材料を見て、「この木はこんなところに植わっていたんだな~」なんて考えながら見ていることがとても大好きです(^^♪

想像を膨らませ、頭の中で出来上がっていく庭づくり。至福の時間です♪

 

楽しい時間でした!

 

ではまた次回♪