雑木の庭づくり勉強編!親子登山第五弾~山梨県は三つ峠山~
こんにちは。
作庭家の井村幹仁です。
ついに夏到来!
空を見上げてみれば空も夏模様。
雨が多くじめじめした梅雨から立っているだけで汗が噴き出す季節に。
皆さん山野草など暑さに弱い植物の管理を注意しましょう!
さて先週は娘と山梨県は三つ峠に行ってまいりました。
梅雨の合間に出かけた山行。
途中曇っていて富士山が隠れてしまっていたけど、山頂では見事に富士山とツーショット!
途中湧水が流れ落ちる場所もあり、子供の好奇心(私も)を煽ります。
湧水の構成は見れば見るほど理にかなった構成であり、無駄なものが一切ない。
水は流れるために流れる。無理なく、心地よく。
先人の庭づくりの達人たちは、この小さな流れでさえも自分の糧にしていたに違いない。なぜなら大きな川もこのような小さな流れも構成は全く持って同じだからだ。 山道さえも雨が降れば流れに代わる。
ブナ林などは植栽の構成である樹木の組み合わせの勉強にはもってこい。
この三つ峠山ではキブシやアブラチャンが多かったです。娘はアブラチャンという名の樹木に「面白い名前~」と笑っていましたが、私も最初に知ったときは耳を疑った思い出があります。笑
キブシに至ってはなかなかお庭で使われることが少ない。それはあまり知られていないので生産や山採りがされていないからです。
キブシは花も樹形もとても良い樹木です!
この素敵な石組も特に印象的でした。
「どうだ!」と言わんばかりの石組はよく見ますが、この肩ひじ張らない力の抜けた石組はなかなか出会えません。
話は変わりますが、段々畑にみる石垣もとても風情のある柔らかな石組です。あれは農家のおじ様たちが畑を耕すときに出てきた石を無造作に積んだものです。だから「作為」がない。自然に溶け込むのです。好みの問題になってしまうのですが、私は雑木の庭づくりには「肩ひじ張らない石垣」、つまり「農家のおじさまスタイル」、「主張しない石組」が自然に溶け込むのではないかと思います。
また、登山には山野草が楽しみの一つでもありますね。
頂上ではなく、山野草を見るために登る方も多くいらっしゃいます。
上の写真は川を覗き込むように咲くホタルブクロ。なんとも風情があります。
三つ峠山ではウチョウランが名物の一つです。
ウチョウランは絶滅危惧種に指定されてしまった山野草です。綺麗であるがために心無い方たちが盗花してしまったことが原因の一つなんです。今はプレートを付けて絶滅を防ごうとあの手この手で対策しているようです。
あちらこちらに山野草は持って帰らないで!と看板も見受けられます。
そもそも花の時期に掘り起こしたらまず枯れます。そのことを理解してないとこのような結果になってしまうのでしょうね。
可愛いお花。山野草が欲しくなるのは十二分に理解できます。しかし自生のものは歴史がある。その歴史を崩すことは許されない。
もし可愛い山野草、お花を見つけたならば私にご連絡ください!
自生では絶滅危惧種でも人間が生産した山野草なら購入することが可能です。私がお届けいたします!
話は少しずれてしまいましたが、この様に自然はどこを切り取っても素敵な景色ばかり。私の考えでは、雑木の庭づくりを極めるには欠かせないほど大事な山行です。
そして実は大事なことがまだあります。
それは私の娘と一緒に登ること。
その理由は3つ。
1,子供の好奇心、行動を間近で見れること。
私は家族が楽しめる庭づくりを目指しています。子供の楽しそうな姿は親の喜びに直結します。
子どもにとってどのような「道」が楽しいのか。「景色」が楽しいのか。「何が」遊び道具になるのか。
庭づくりにとても重要な要素なんです。
2,子供が環境問題など自然の大切さ、ありがたみを知れること。
これは未来に生きる子供たちにはとても重要なことです。カーボンニュートラルなど脱炭素の話であったり、エネルギーのあり方を少しづつ理解させることができます。日本は欧米と比べるとこの意識がとても低いです。私は自然にかかわる仕事をしているのですから、少しでも地球の役に立ちたいと思います。
3,親子の絆
これに関して言えば誰でも賛同してもらえるはずです。私たちはとにかく忙しい。共働きも当たり前の世界。でも今は今しかない。子供はすぐに大きくなってしまう。やっぱり大事なのは時間。どれだけ濃い時間か。私にとって娘と行動することは何よりも大事な時間なのかもしれない。
とまあ、いつも通りとても愉快で爽快な一日でした(^^♪
次はどこに行こうかな~♪